
The Fine Japanese Jewelry
A-Y2(エー・ワイツー)は、2017年に始まった日本のジュエリーブランド。
「日常に寄り添う、小さなアートピース」をコンセプトに。
都市の影、自然の儚さ、日本の静けさ──。
そのすべてを、最小限の造形と多角的な視点でそっとすくい上げ、ジュエリーというかたちに静かに昇華させています。
デザイナー自身が日々の暮らしの中で触れた記憶や感情、風景や言葉、手の感覚、そうした内側から立ち上がるものに耳を澄ましながら、制作に向き合っています。
時代が移ろい、価値観が多様化しても、“身につける”という行為の意味や、美しさを纏う歓びは、変わりません。
A‑Y2が目指すのは、ただ眺めるための宝飾品ではなく、装う人の存在そのものを引き立てる、上質でタイムレスなジュエリー。
古き良き技と感性をいまに活かしながら、静謐さと確かな存在感を宿す作品を、ひとつずつ丁寧にかたちにしています。

Craftmanship 技巧
静かに、確かに、形になっていくものがあります。
A-Y2のジュエリーは、宝飾の地・山梨の職人たちと共に時をかけて磨かれています。
30年以上の歴史を持つ工房で、熟練の手仕事が石と金属に命を宿します。
それは、ただ美しいだけではない、「長く身に着けていけるもの」をつくるという静かな誓い。
物があふれる今、私たちが大切にしているのは、量より質。時間の経過がその輝きを深めていくような、耐久性と美しさを併せ持つジュエリー。
厳選された素材に、練り上げられた技術を重ねて、日々の試行錯誤を積み重ねながら、私たちは、身につける人の人生にそっと寄り添うような洗練と温もりを備えた一点を、静かに生み出しています。
MethodMethod 手法
緻密であること。静けさを含んでいること。過度な装飾ではなく、削ぎ落とすことで本質を浮かび上がらせること。A-Y2のジュエリーは、日本的な美意識に根ざしています。
余白を大切にし、素材そのものの輝きや質感を際立たせながら、わずかな面や線の差異に、静かな意思を宿す。
ひとつひとつの工程に、繊細な彫金技法と確かな手仕事を重ねて。纏う人の肌に、そっと寄り添うような着け心地まで丁寧に仕立てていきます。
Natural Diamond & Color Stone 宝石について
A-Y2のジュエリーに用いるのは、地球が何百年という時をかけて育んだ、天然の恵。ダイヤモンドも、カラーストーンも、すべて自然が授けた一点ものです。
ダイヤモンドはインド、カラーストーンはバンコクへ。
石に寄り添う人々のもとを訪ね、確かな目と感覚で一石ずつ選び取ります。
評価基準である4C(カラー、クラリティ、カラット、カット)にとどまらず、実際に光の中で手に取り、その照り・瞬き・静かな気配を見極めます。
それがたとえ極小のメレダイヤモンドであっても、選ぶ手は決して妥協しません。
宝石とは、石であり、ひかりであり、物語のはじまり。私たちは、その最初の一歩を大切に紡いでいます。

Fair Price 適正価格
A-Y2のジュエリーはすべて、山梨県の自社工房で製作されています。
デザインから制作、検品、発送にいたるまですべての工程を、自らの手で一貫して行なっています。
そのため、余計な中間コストをかけることなく、作品に込めた価値をそのまま、お客様へまっすぐにお届けすることができます。
近年、地金価格が高騰する中でも、私たちは価格を丁寧に調整しながら、”品質と想いにふさわしい価格”を大切にしています。
それは単に「安くする」ことではなく、「必要以上に足さない、美しいバランスを守ること」。
それがA-Y2の考える、適正価格というあり方です。
Sustainability 資源の循環
ものが溢れる時代にあって、私たちが本当に大切にしたいのは「作ること」より「続けること」。
A-Y2は、環境負荷の少ない素材選びはもちろんのこと、”ひとつのジュエリーを長く、丁寧に使い続ける”という姿勢を大切にしています。
ほんの小さな傷を直し、歪みを整え、石を留め直し、ときには形そのものを変えて、新たな命を吹き込む。そうしてまた、手の中に戻ってくる。それも、宝飾のひとつの美しさだと、私たちは考えています。
限りある地球の資原に寄り添いながら、受け継ぎ、使い、再び輝かせる。
それが、A-Y2にとっての静かなサステナビリティのかたちです。
Philosophy 哲学
私が求めているのは、ただ目を惹くような輝きではありません。
素材から立ち上がる空気感、内に秘めた静けさと、凛とした力強さ。語らずとも滲み出る、奥ゆかしさ。
そこに、自分自身の美意識を映せるか。その美しさに、誰かが静かに気づいてくれるか。それは、私にとってとても大切な問いです。最も重んじているのは「品格」。
それは表層の華やかさではなく、本質を見つめるまなざし。年齢を重ねるほどに、より美しく、より豊かに在ろうとする姿勢。
日々、何を選び、何を手放すか。その積み重ねこそが、人の佇まいをつくり、美しさをかたちづくっていくと信じています。
ジュエリーとは、思考や感情、その時々の生き方を映し出す小さな鏡のようなもの。作品とは、静かに綴られていく軌跡。
そこに宿る哲学が、そっと誰かの心に触れるものであれば、それ以上の喜びはありません。

Designer’s Profile
山村 洋平 1981年生まれ 山梨県出身
豊かな自然に囲まれた甲府盆地に生まれ育ち、宝飾職人であった父のもと、幼少期よりジュエリーに親しみながら過ごす。22歳に東京から戻り、本格的にジュエリー制作の道へ進み、2017年に自身のブランド〈A-Y2〉を設立。
同年、パリの展示会にてファーストコレクションを発表。現在は国内外のイベントやトランクショーを中心に活動を展開している。
- Story -
幼少のある夕暮れ、まだ誰も帰宅していない静かな時間。ふと足を踏み入れた母の部屋で、ドレッサーの上に無造作に置かれたジュエリーと出会った記憶が、今も鮮明に残っています。
小さな手でそっと触れ、鏡の前で身に着けたその瞬間の高揚感は、今なお私の創作の原点です。
ジュエリーは、単なる装飾ではなく、人の心に深く触れる力を秘めています。
身につける方自身だけでなく、その輝きを目にした周囲の人々にも感情を呼び起こし、共有することができるもの。
あの時感じた胸の高鳴りを忘れることなく、今もなお一つひとつの作品に想いを込めて制作を続けています。